オーストラリアの永住権

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近年は海外に移住する日本人も少しずつですが増えてきています。外務省の海外在留邦人数の統計によると2018年10月現在で約139万人いるそうです。そんなに多くないと感じる方もいるかもしれませんが、総務省の資料では日本の人口が2018年10月現在で約1億2千600万人強となっているので、2018年10月で日本人の約100人に1人は海外で移住や長期滞在をしていることになります。そう考えると結構大きな数字ではないでしょうか?

国別移住先でみると1位はアメリカ(44.6万人)、2位に中国(12.0万人)、そして3位がオーストラリア(9.8万人)となっています。1位のアメリカは圧倒的ですが、中国とオーストラリアの差は僅差でしかもここ5年ほどは中国の在留邦人は毎年3,4千人ずつ減少し、オーストラリアは逆に同程度増加しているので2位と3位は3、4年後には逆転すると思われます。ちなみに4位はタイで7.5万人、5位はカナダで7.3万人となっています。両国ともオーストラリアと同様にここ5年は毎年増加傾向です。民間の人気移住先ランキングのような統計でもこれらの国は人気移住先の上位を独占していると思います。

海外に長期で済むとなると、就労ビザや学生ビザ、ワーキングホリデイビザ、移住となると永住権又は永住権がない国ではそれに近い長期滞在ビザが必要になってきます。オーストラリアで永住権といえばいくつか種類があり、すでに永住権を取得してオーストラリアで永住されている日本人の方は以下のいずれかの永住権を取得されている方がほとんどでないかと思われます。

1) 配偶者・パートナービザ
2) 就労ビザを現地の会社からサポートしてもらい、その後永住権を申請。
3) 州からの推薦を受けて地方で2年間就業する(RSMSビザ)
4) 自分で自分のスキルを証明して自己推薦の下永住権を申請(技術独立ビザ)
5) 一定金額をオーストラリアに投資する投資ビザ、退職者ビザ

どの国でも永住権はその国に利益をもたらしてくれる人には与えましょうというのがスタンスです。なので、観光ビザのように簡単には取得できません。また、オーストラリアは日本人にとってだけでなく世界中の人たちにとっても人気の国です。英語圏の国で治安が良く、フレンドリーなオージーに生活のしやすさやグレートバリアリーフやウルル(旧エアーズロック)といった大自然は世界中の人にとって非常に魅力的で、世界中からオーストラリアに移住したいとやってくる人が多く、近年はアメリカやヨーロッパの移民大国と同様に移民を制限する方向にあり、年々永住権の取得要件が厳しくなってきています。

以前は留学→就労ビザ→永住権というのが定番パターンでしたが、2017年のビザの大改正でこの流れに大きく制限がかかり、一部の特殊な職種でない限りこの道での永住権の取得はほぼ断たれた感じになりました。また、シェフや会計士は長年永住権が取りやすい職業として移住を狙っている人の間で人気がありましたが、会計士はほぼ需要が満たされた感じで、現在は非常に厳しく、またシェフは今でも比較的取りやすいとされていますが、いわゆるキッチンスタッフ的な職位の人は永住権につなげるのは難しくなりつつあり、メニュー作成やコスト管理、スタッフの採用や勤務管理、トレーニングなども職務に含まれるシェフに限定されていると思います。私はビザの専門家ではありませんので個々のケースについて語ることはできませんが、上述したことは他のサイトでもだいたい同じような認識で書かれていると思います。ただ、あくまで参考程度に留めて頂いてご自身のケースが知りたい場合はビザの専門家にご相談ください。

一方でオーストラリア(連邦)政府が永住権の申請に大幅な規制をかけたことで、州政府レベルで州推薦の永住権の要件を大幅に緩和している州もあります。オーストラリアの場合、シドニーやメルボルンといった大都市がやはり仕事の供給量や住みやすさの観点から移民に人気で集中しがちなので、地方都市であるパースやアデレード、ダーウィンなどにより多くの移民が行くようにしたいという政府の思惑もあると思います。ですので、今オーストラリアに移住したいと考えられている方には最初は地方でスタートすることを考えられてはいかがでしょうか?

オーストラリアの永住権はいくつか種類があるので、どの種類の永住権を取るかは人それぞれで、取りやすいのがどれかも人それぞれです。そのため自分にとってどの永住権が取りやすいか、それを取るためには大学に行くのか職歴をつけるのか、英語のテストをどう対策していくのかなど個々のそれまでのバックグラウンドやスキルなどによっても違ってくるので、あれをやってその後こうして何年後に永住権を取得するといった長期的な戦略が必要です。

一方でオーストラリアのビザの法律は毎年需要と供給などを鑑みて変更があります。年によって微々たる変更、大幅な変更と様々ですが、毎年何らかの変更がありその変更の影響を受けて永住権の申請要件が急に満たせなくなって申請できなくなるという人は一定数います。なので、ご自身のケースについてはこのサイトも含めたネットでの一般的な情報に頼るのではなくビザの専門家に必ずご相談ください、専門家はビザの法律の改定にも常にアンテナを張っているので、いち早く情報を入手すると思いますし、多くの人の申請を代行してきているので様々なケースを経験してきているので、一般の人より的確なアドバイスができると思います。