日本でも海外でも今人気がある職業、あるいは今後この資格、スキルがあると強いといわれているのは共通していると思います。それは英語、会計、ITです。オーストラリアでも英語はネイティブなので別として会計やITは非常に人気、あるいは需要の高い職業です。アメリカやカナダ、ニュージーランドなども同様だと思います。
英語はアジア圏を中心にグローバル化に伴ってしゃべる人が世界的に増えていますし、会計はどの会社にも経理部や財務部といった部署があったり、公認会計士や税理士といったプロフェッショナルな職業もあります。ITはご存知の通り現代社会ではなくてはならないものとなっています。このうちのどれかを身につけていればこれからの10年、20年は役に立つと思いますし(あくまで個人的な予想です)、複数持っていればかなり重宝されるでしょう。
英語や会計、ITについては以前の投稿でもそれぞれ簡単に記していますので、そちらをご覧下さい。
・資格は武器になる
・英語、会計、IT
・どのくらいの英語力が必要? – 移住編
・会計は何故人気があるか?
・会計事務所 vs 企業経理
英語を使って仕事をしたいなら、やはりビジネス英語がおすすめ
英語と言っても英会話から、留学に必要な英語、ビジネスで必要な英語など様々あります。ワーホリで異文化交流をしたいとか海外生活を楽しみたい場合には英会話(フランクな会話)を身につけることが重要ですし、留学なら専攻・履修する科目に関する学問の英語(堅い英語)を読めることが必要です。しかし、仕事で英語を駆使することを考えた時にはいわゆるビジネス英語が必要になってきます。どのくらいの英語力が必要かというのはそれぞれの状況によって違うので一言ではいえません。例えば日本での就職なら日系企業で働いている場合、外資系で働いている場合でも使用頻度は違うと思いますし、職種やポジションあるいは会社によっても使用頻度はピンキリだと思います。人によっては週に1度海外本社あるいは海外の取引先とのメールでのやり取りのみという人もいれば、週1回あるいは週何回か電話会議、ズームミーティングなどありメールのやり取りも1日に何度もという人もいると思います。もし職場の上司が外国人だったら日々職場でリアルなビジネス会話も経験でき、ビジネス英語を身につけるには最高の環境だと思います。
私の場合は一番初めに外資系企業に入社した際はスタッフ職で、お偉いさんが外国人でしたが、話す機会はそんなになかったので英語は1割くらいしか使わなかったと思います。3年目で直属の上司が外国人に変わり、そこから使用頻度がぐんと増え、昇進と共に上司だけでなく他の外国人のお偉いさんとも直接話す機会も増えました。それでも9割近くが日本人社員だったので、英語と日本語は半々という感じだったと思います。
現在はオーストラリアで日本人ゼロの環境なので英語10割ですが、日本の外資系企業で身につけたビジネス英語がそのままそっくり使えるので、こっちに来て通じないとか本場では言い回しが違うとかほとんどなく、ものすごく役に立っています。
ビジネス英語を学ぶなら TOEIC の勉強がやはりおすすめ
もし、今職場などで英語を使う機会がないけど、ビジネス英語を勉強したいというのであれば、やはり TOEIC がお薦めだと思います。何故なら、問題内容が職場での同僚とのやりとりを想定した内容だったり、ビジネスの現場で見聞きするようなやりとりを想定している問題が中心だからです。TOEFUL や IELTS、英検など他の英語検定試験ではあまりビジネス英語は試されないと思います。また、職場での同僚とのやり取りなどを想定した問題は会話口調のやりとりなので英会話のような平易な英語でとっつきやすいと思います。
海外就職したいなら TOEIC 900点あるいは IELTS 7.0は欲しい
英語を駆使して仕事がしたい。将来は海外就職をしたいと考えられている方はTOEIC なら900点、IELTS なら 7.0 は欲しいところです。これはそれだけの点数があれば問題ないということではなく、そのくらいあれば業務を遂行する上での英語のハンデはあまりなく、まあ差し支えなくできるであろうという最低ラインと考えてください。ただし、「じゃあ満点とれるくらい」の方が安心かと言えば、そこまでやる必要ないと私は思います。
それは TOEIC はあくまでテストなので、TOEIC で満点取れたら全ての英語がカバーされるかと言えばそんなことはありません。ぶっちゃけ、日本人で TOEIC 満点とか IELTS 8.0持っているといえば、英語の神様みたいな存在ですが、例えばマレーシア人など東南アジアでは英語を小さい頃からネイティブと同じように日々使って育ってきている人たちが多く、彼らにとって IELTS 8.0 は当たり前で、7.5 のセクションがあると「何で?どこをミスった?あり得ない」という感じなので、グローバルな社会に出たら英語力ではネイティブはおろか東南アジア系の人たちにすら全く歯が立たないと思ってください。日本人にとってそこは勝負する領域ではありません。
また、TOEICは満点だけどパソコン音痴とかミスのオンパレードで仕事をてきぱきこなせないとなれば本末転倒です。前回の投稿でも述べましたが、私は満点ではありませんが英語で法律や契約書など1回さらっと読めば理解できますし、オージーの上司とも意見を交換したり、外部の会計士や弁護士、税務署などとのやり取りも慣れています。そのほかスタッフの質問に答えたり、トレーニングして仕事がこなせるようにしたり、社内の他部署と交渉したり、日本の外資系で10年以上、オーストラリアの現地企業で7年以上の経験で得たことの方が全然大きいと自負しています。海外に出て活躍したいなら英語のテストで満点取るより実戦での戦闘力をいかにしてMAXに上げるかを考える方が絶対に重要になってきます。
実務経験を身につけたいなら外資系企業がおすすめ
日本で将来海外に出るための実務やスキルを身につけたいならやはり外資系企業がおすすめです。外資系企業には通常、海外本社から出向で送られてくるお偉いさんがいたり、日本に留学やアニメなどの日本文化に興味をもって元から移り住んでいる外国人もスタッフ職に応募してきたりなど、やはり社内は外国の雰囲気が強めになります。
外国人の割合が多ければ、それだけ職場での雑談なども英語でしゃべる機会が増えたり、社内は英語が公用語のところも多いので、リアルなビジネス英語のメールも自然に身につけられます。直属の上司が外国人であれば英語の使用頻度はさらに上がりますし、日本支社で使用されているソフトやシステム、エクセルやワードファイルなどは通常海外本社で使用されているものと同じなので、もし、社内異動で海外の事業所で働けるとなれば、日本支社で使用していたものと同じものを使用することになり、現地でもスムーズに業務を開始できるという大きなアドバンテージを得ることができるでしょう。
海外はとりわけ即戦力重視で、いちいちソフトの操作の仕方や社内でエクセルファイルの説明などはほとんどなく、自分で1から理解していくしかありません。周りの人に質問はできますが、日本人みたいに懇切丁寧に教えてくれませんし、成果を出さないといけないという時に1から操作を自分で習わないといけないのと、最初からソフトやエクセルファイルの使い方に関しては知っていて問題ないというのとではパフォーマンスや評価も全然違ってきます。
外資系企業に入社するなら、英語力は必須、実務経験も必要
外資系企業は少数精鋭の所が少なくないです。通常、求人広告では前職で同等の実務経験を求めているものが多いです。単なるポジションの名前だけでなく、その会社で使用しているシステムの使用経験や英語の使用経験、同じ規模のチームでの就業経験などポジションが高ければ高いほど、求める要件は細かくなっていき、数もどんどん増えていきます。しかし、スタッフレベルのポジションであれば、そこまで細かい要件は求められないことも少なくないです。
なので、もし経験があまりないようであれば日系企業で経験を積むことも必要になってくるかもしれません。逆に外資系企業で一度職歴を作れれば、外資系はさほど転職回数を気にしませんので、ステップアップのためにどんどん転職することが出来ると思います。ただし、それでも日本の外資系企業の場合、1か所で3年、5年程度の勤務経験があるかどうか見るところもあると思います。やはり外資系と言えど人事の人も日本人ですし、毎年転職しているような感じだと「うちで採用しても1年以内に辞めるかな」という印象を与える可能性はあります。
オーストラリアの場合はスタッフ職なら1年で転職というのは普通にあることなので、3か月や半年ぐらいで辞めなければ全然問題ないです。昇進もオーストラリアの方が早い印象があります。30ぐらいまでにマネージャー、部長職を目指す人が多くはないかもしれませんが実際にそれなりにいます。40前後でエリア統括マネージャーやシニアバイスプレジデントなどの要職に就く人もいて、そこから更にカントリーマネージャーや駐在でアジア諸国をいくつか見るポジションに就くのがこちらでの出世街道のような印象です。
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